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Vol. 8:ジョコビッチの「自分を極めるプロジェクト」

伊東猛です。

いよいよ収束フェーズに入ったかと思われる日本における新型コロナウイルス感染症ですが、この数ヶ月におよぶパンデミックによる社会的な危機は、我々のビジネスや生活のスタイルに大きな変化をもたらしました。今までかけ声ばかりでなかなか進まなかった「リモートワーク」がより定着し、そのツールであるZoomなどを活用した「リモート飲み会」も多く開催されているようです。

テニス界においてはツアーの中断で選手たちが試合・練習が出来ないこともあり、Instagramでのライブ配信機能を利用し、選手たちが会話する様子をファンに見せたり、ファンとの交流をすることが増えています。今までなかなか見ることが出来なかった選手たちの普段の様子を伺うことができ、テニスファンにとっては新しい楽しみが増えたのではないでしょうか。


コート上では激しい戦いを繰り広げるフェデラーとナダルもオフコートでは仲良し。


ジョコビッチとマレー、ナダルとフェデラーの組み合わせでの会話など、かなり興味深いライブ配信が行われてきましたが、特に私が興味を持って聞いたのが、ジョコビッチと彼のスピリチュアル・アドバイザー(?)であるシェルビン・ジャファリアウ Jafalieh のライブ配信でした。最高の自分になるために行動目的を明確にをすることの重要性、人生において人として成長していくために「試行錯誤」「瞑想」「シンプルな生活習慣」などを通じ、自分がコントロール出来ることにフォーカスするというような内容でした。

2016年、全仏オープンで優勝しキャリアグランドスラムを達成したジョコビッチ。通算獲得賞金が1億ドルを超えた史上初の選手となり完璧とも言える強さを誇っていましたが、そこから怪我などもあり失速、一時22位まで世界ランキングを落とした時は「ジョコビッチも終わったか?」との声も多く聞かれました。私も、なかなか調子が上がってこないジョコビッチのプレーする姿をみた時、凄く体が痩せ細っていて強さが感じられなかったのを覚えています。

ある人からは「ノバクがあやしいヨガの先生の影響でちょっと宗教的なモノにハマっており、なかなか復帰が難しいかも・・・」という話を聞いたりもし、きっとジョコビッチのあの強さは二度と戻ってこないだろうと感じていました。

実はこのあやしいヨガの先生というのがジョコビッチとのインスタライブに登場したシェルビン・ジャファリアウで、ジョコビッチにメンタル面でのアドバイスをし、瞑想やデトックスの重要性を説き、なかなか復調できず苦しんでいる時も支えてきた張本人。ジョコビッチはシェルビン・ジャファリアウのことを「ブラザー」と呼んでおり、相当信頼をおいているようです。

2018年のウインブルドン優勝で完全復活し、それから今日までの活躍はみなさんもご周知のとおり。「史上最強」の称号を確固たるモノにするため、フェデラーが持つグランドスラム最多優勝数超え達成への道を進んでおり、シェルビン・ジャファリアウがジョコビッチに与えた影響は結果的には「素晴らしい功績をもたらしている」と言えると思います。

2人の話を聞いていて、必要以上とも思えるお互いの褒め合いがなんだか気持ち悪い感じもありますが、やはり素晴らしい成果を出している人がどのように考え、行動しているかは非常に興味深く、今回それを知ることができるたのは非常にラッキーだと感じます。


ジョコビッチの「自分を極めるプロジェクト」

ジョコビッチとシェルビン・ジャファリアウの2人のライブ配信は「自分を極めるプロジェクト」と題され、2人でこれまで歩んできた道のりを説明しています。

その中でも特に多くの時間が割かれていたのが「目的意識の重要性」についてで、まとめると以下のような話でした。


目的意識を持ち、そして行動に移す。

  • 目的意識を持つことは、自分が行動するための指針を持つこと。

  • そうすることで自分が「するべきこと」と「するべきでないこと」が明確になる。

  • この目的意識がなければ、ただ時間が過ぎていくだけで無駄な時間を多く過ごす可能性があり、自分がすることに迷いも出やすい。

  • 目的意識を持つ上でまず重要なことは自分を知ること。「自分はどういう人間か」「なぜ今の自分があるのか」ということを自分と向き合い考える。

  • 目的意識は自分を極めるために最も重要なこと。「どのような自分でありたいか」「どのようなことを成し遂げたいか」をまとめる。

  • 目的意識をまとめる上で、まずは自分にとって必要ないものを排除する。

  • 目的意識が明確になれば、次はそれに向けた行動をとる。日々の取り組みを継続することが重要。

  • 日々取り組みを継続する上で、無理強いはしないこと。常に現状を受け入れ、寛容であること。

こうして2人の会話内容をまとめてみると、その内容は一般的な自己啓発本で書かれていそうなことばかりで特に斬新な訳ではないことがわかります。このことから、おそらくジョコビッチは特に何か特別なアイデアを考え出し実践しているという訳ではなく、誰もがアクセスできる情報をきちっと消化し、それをとことん追求して取り組んでいることを感じることができます。以前 Vol.6 でジョコビッチが練習や試合前のウォームアップとストレッチに細心の注意をはらい丁寧に取り組むことについて書きましたが、その姿勢からも「自分を極めるプロジェクト」を追求して取り組んでいることが容易に想像できるからです。

私はアスリートの中でイチローが好きなので、彼のインタビューや残してきた言葉を読んだりしますが、イチローは、「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」「人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。あくまでも“秤(はかり)”は自分のなかにある。それで自分なりに“秤(はかり)”を使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの日か『こんな自分になっているんだ』という状態になって。だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないというふうに思うんですよね。」と話しています。

大きな偉業を残すことが人生の全てではないと思います。ただジュニア選手の指導をしていて思うのは、何か目標を持ち、それに向かって解決改善方法を考え行動し、前進しようとする意欲で何か良い結果に繋げる人になって欲しいということ。それを促すことができるような環境を整備することが私が取り組んでいきたいことであり、そのために私自身も「自分を極めるプロジェクト」に、選手と共に取り組んでいきたいと思います。


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