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Vol. 6:Team HEADマネージャーとして / ジョコビッチの凄さについて

伊東猛です。

コロナウィルス感染症が衰えを見せず、なかなか普段の生活に戻る兆候が見えない中、私といえば仕事が一旦ストップ状態・・・。私が取り組んでいるプロジェクトを紹介するホームページ(www.iia-inc.com)の編集や、これから取り組むプロジェクトのホームページ作成などに時間を使うことにしています。



Team HEAD マネージャーとして


プロジェクトといえば、私が関わっているプロジェクトの一つに、世界3大ブランドの1つであるHEAD社(他の2つはWilsonとBabolat)のラケットを日本で販売するHEAD JapanでのTeam HEADマネージャーというものがあります。

Team  HEADとは才能豊かなプロ/ジュニアプレーヤー、そして優秀なコーチと契約を結びサポートするプログラムのことを言いますが、私のポジションは主に日本国内で契約しているプロとジュニア選手のサポートプログラムの方向性を打ち出しプロジェクトとして推し進めていくこと、契約選手の窓口となり用具提供などのサポートを行うこと、またインターナショナルスカウトとして、ヨーロッパ本社のプレーヤーサポートチームと連携を取りながら有望な(将来有望と見込める)選手との契約をすることです。

もともとHEADラケットとの大きな出会いは、私がアメリカに練習を拠点を移し1年が経った16歳の夏休み、フランスで行われているマネートーナメント(日本でいうJOP が主催する一般大会)に参加するためフランス南部の都市ニースに1ヶ月滞在した時でした。私が出場した大会に私と同世代のフランスのジュニアナショナルチームの選手が4人出場していたのですが、その全員の手にはHEADのPrestigeが握られていました。

そのラケットをブンブン振り回しボールをしばきまくっている光景が、自分がそれまでやってきたプレー、見てきたプレーとレベルが違いすぎて衝撃を受けました。当時のフランスのジュニア選手はセバスチャン・グロージャン(プロ転向後、世界4位までのぼり詰めた。もちろんラケットはHEAD)をはじめ世界のトップレベルにあり、プロ転向後も活躍している選手が多くいました。そこで見たフランスジュニア選手たちのプレーが世界で通用するテニスで、「そのようなプレーをするために、幼い時からHEADのようなラケットを使い、しっかりボールをしばくことを身につけていく必要がある」と感じ、自分がコーチとなりジュニアを育てることになれば、選手には必ずHEADを使ってもらおうと心に決めたのを今でも覚えています。

日本でジュニア育成を開始したのが2010年。HEADの契約コーチとなりたくてHEAD Japanにコンタクトをとりましたが、「我々HEADは世界基準のブランドなので、伊東さんのこれまでの実績とかはあまり眼中にないです」とストレートに言われたかどうかは覚えていないですが要はそのような内容の話をされ、なんとか食い下がって1年後に契約コーチとしてHEADに関わることができるようになりました。2014年春にHEAD JapanからTeam HEADマネージャーの仕事のオファーをいただき、プロジェクトがスタートしましたが、今でもやりがいがあり凄く楽しんで仕事をしています。

HEAD Japanでの仕事は、Team HEADマネージャーとしての仕事以外に、楽天オープンや国内で行われる国際大会での選手対応というのもあります。この仕事は大会に出場するHEAD契約選手のサイン会を大会期間中に会場のHEADブースにて行うというものです。HEADヨーロッパ本社を通じ、HEAD契約選手(通常は選手のマネージメント会社)と事前に打ち合わせを行い、大会が始まってから選手のスケジュールに合わせてサイン会の日時を調整、プレーヤーズラウンジからブースまでの選手の送迎、そしてサイン会での選手の通訳です。多くの世界トップ選手がHEADラケットを使用していることもあり、これまでにジョコビッチ、サフィン、イバニセビッチ、チリッチ、ガスケ、シュワルツマン、フリッツらと仕事をする機会に恵まれました。またこの国際大会での仕事では、ファンが入ることが出来ない練習コート傍、選手がコートでプレーする前にストレッチやウォームアップを行うエリアなどにアクセスが可能となる関係者パスを貰えるため、「選手がどのように練習やウォームアップをしているのか」「選手が実際に打つボールのスピードやスピンはどんなものか」「選手がどのような雰囲気で練習やトレーニングと向き合っているのか」など、ジュニア育成に携わっている私にとって情報収集に凄く有意義な時間となっています。特に昨年は王者ジョコビッチが楽天オープン出場のため来日したので、練習、試合前のウォームアップやトレーニングを至近距離から見ることができ、とても大きな刺激となりました。

2019楽天オープンにて、HEADブースでのジョコビッチのサイン会をコーディネート



ジョコビッチの凄さ

「ジョコビッチが外の練習コートで練習している」という情報が入り、早速そのコートに向かいました。ショートラリーからロングラリー、クロスラリーと誰もがやるような手順で練習が進んでいきます。皆さんもご存知のように無駄な力が入っていないように見えるフォームから、精密機械のように正確なショットが繰り出されていきます。一通りのラリー練習が終わるとポイント練習が始まり、ここからジョコビッチの凄さがどんどん際立ちます。相手のショットがコーナーに打ち込まれてもジョコビッチは全くバランスを崩さず、それまで真ん中で打っていた時と同じようにボールを返球。相手をサイドへ動かしオープンコートができると、そこへ計ったように次のボールを打ち込みます。世界No.1なのだから当然といえばそうなのですが、精度の高さが今まで私が見たことのあるフェデラー、サンプラスなどのチャンピオンと比べてもちょっと次元が違う気がしました。ジョコビッチのプレーは「華やかではない」「つまらない」などと言われがちですが、生でそして間近で見るとその凄さに圧倒されます。

そしてコートでのプレーよりも、私がジョコビッチの強さの秘密を感じたのが、コートでの練習や試合の前に行うストレッチ(厳密にはダイナミックストレッチ)などのウォームアップを行う様子を見た時でした。楽天オープンでは有明コロシアムの屋根の下、プレーヤーズラウンジからすぐ外に出た場所に、選手がストレッチやトレーニングをする広場が設けられています。「選手がどのように練習や試合の準備をするのか」ということに私自身が凄く興味があるので、大会期間中はこの場所にはり込み様々な選手の取り組みをチェックしますが、ジョコビッチはかなりの種目のストレッチや運動を誰よりも時間をかけて行っていました。ジョコビッチというとユーモア旺盛で冗談好き、練習でも楽しくふざけているような動画も多く上がっていますが、練習や試合前のウォームアップ、ストレッチに取り組む姿はそれとは真逆。一つ一つの動作に細心の注意をはらい、すごく丁寧に取り組むその姿から、ジョコビッチがこれまで積み重ねてきたであろう取り組みに対する姿勢が伝わってきました。

2020年のオーストラリアンオープンにも優勝し、現時点でフェデラーの20、ナダルの19に次ぐ3番目の記録であるグランドスラム優勝回数17をマークしたジョコビッチ。今後の記録更新に向けての挑戦が非常に楽しみです。

今回はHEADのラケットの話からジョコビッチの話へと展開しましたが、HEADのラケットにご興味のある方は、HEADラケット開発に関する話(2:46から)を是非ご覧頂きたいと思います。

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