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Vol. 4:アメリカ大学のアスリートに対する「学業面」「活動費用」のサポートについて


伊東猛です。


先日、私がテニス部の監督をしている関西国際大学の卒業式が行われ、4年前にテニス部へ入部してきた10名がきちっと就職先を決めて旅立っていきました。


私が6年前に監督に就任した際、在校生にそれまでの卒業生の進路を尋ねると、「どこにも就職しておらず、みんなフラフラしています」との回答で、チームとしてテニス部を強くするために取り組むべきことはまず「就活から」と位置付け、インターンや説明会へ積極的に参加できる環境を整えました。少しでも良い選手に関西国際大学に入ってもらうためには、テニス部卒業生の就職率/就職先が重要と考えたからです。

テニス部として学業を最優先にし、それをしっかりやった上でテニスも頑張るという方針を打ち出し、試合に出るためには達成しなければいけない評定平均値を設定したことでテニス部員たちの学業に対する意識も向上し、部としての評定平均が学校の評定平均を大きく上回る結果を出すところまで来ました。

ここに至るまではクリアしなければいけないハードルも多くありましたが、部員の頑張りによりこの6年間は就職率が100%、また今回ようやく上場企業への就職を決めた部員も出ました。就任当時のチームと比べると物事に対する取り組む姿勢/意識という面で、現在は良いチームが出来てきたと感じています。

関西国際大学でテニス部は強化部であり、テニスでの戦績だけを気にすれば良い中でなぜ学業を優先し文武両道に取り組んでいるのかというと、そこには私が経験したアメリカ大学の取り組みが大きく影響しています。


アメリカの大学のアスリートに対する学業面でのサポート

アメリカの大学、特にDivision-1では「Student Athlete」と呼ばれるスポーツチームに属している学生の評定平均が一般学生の評定平均を大きく上回ります。私が卒業したUniversity of New Mexicoの男子テニスチームは昨年、3.92(4段階評価)という評定平均を記録しました。

これだけ学業で良い成績を残したチームのテニスのレベルがどうなのかというと、全米でトップ25にランクされる選手も在籍しており、テニスのレベルも高いです。

学生が大学スポーツに参加するためにはNCAA(全米大学スポーツ協会)が規定として定めている評定平均2.0以上を取れば良いのですが、多くの大学のスポーツチームがそれを大きく上回る学業成績を達成しており、多くのアスリートが学業とスポーツを高いレベルで両立しようという意識を持っています。

そもそもアメリカ大学、特にDivision-1の大学にスカラシップを獲得して入学できるのは学業とテニスにおいてある一定基準をクリアした人材ということを考えると当然の結果とも言えるかもしれませんが、アメリカで大学に進学する多くの学生が卒業後のキャリアプランをかなり明確に持っており、それに向けた準備という明確な位置付けで大学進学という選択をしていることが、高い意識で勉学に取り組む理由と言えると思います。

また、学業とスポーツを両立しリーダシップを発揮できる人材を輩出することを目的として活動し、学生スポーツのルールや仕組みを管理しているNCAAは、アスリートに対して以下のような行動指針を示しています。

  • 模範的学生であること(奉仕活動・文武両道) 

  • 高いスポーツマンシップと誠実さを備えている事

  • 文武両道を高いレベルで遂行できる事 

  • リーダーシップの高さ

大学は、アスリートがその行動指針に沿って活動出来るようサポートするために様々な仕組みを作り、学業面に関してはアスリート専用のアカデミックセンターを設置し無償でのチューターサービスを提供したり、アスリート専任のアドバイザーを設置しアスリートの学業をモニターし的確なアドバイスを行ったりしています。



アメリカの大学のスポーツチーム/アスリートに対する活動経費のサポート


アメリカの大学は学生スポーツに多額の資金を投入し、アスリートが競技レベルの向上だけに力を注げる環境を整備しています。日本の大学のテニス部の場合、コートの掃除やその他雑用、ストリングの張り替え、施設やチーム運営の管理など、多くの「仕事」を選手等が担います。

遠征費や部費、ラケット、ウェア、ストリングの購入費などを捻出するため、多くの部員がアルバイトに時間を費やすことも当たり前となっていますが、アメリカの大学では、仕事と呼ばれるものはコーチ陣、大学の職員として雇われるその他サポートスタッフが行い、遠征費や用具代などは全てチームが負担するという仕組みが取られています。

私が4年半の学生生活中、年間100足以上のテニスシューズを使いましたが、それらの購入費用は全て大学持ち、ストリングやグリップテープ、ウェアも全てチームが負担、対抗戦のための遠征時にかかる飛行機代、ホテル代、遠征時の食事代も全て大学持ちで、テニスに関しては一切費用負担がありませんでした。

このように、アメリカの大学ではアスリートが学業とスポーツに専念できる環境を整えており、高い志を持って学業とスポーツに取り組む学生がその環境下で将来を見据えた準備を行っていきます。日本でもこのような環境が少しずつでも整っていくよう、「まずは関西国際大学のテニス部から改革を!」と取り組んでいますが・・・。

2019年3月に日本版NCAAということでUNIVASというものが発足しました。大学スポーツの振興により卓越性を有する人材を育成し、大学ブランドの強化及び競技力の向上を図ることを目的としており今後の発展が楽しみですが、アメリカの大学と比較するとまだまだ良い環境が整うまでは相当な時間がかかることが予想され、更にアメリカの大学の学業面と活動経費のサポートを考えると、アメリカの大学にに身をおきながら将来に向けた取り組みを行える方が、より良い経験が出来る可能性が高いと考えています。

昨年と今年、アメリカ大学視察ツアーで20年振りに大学を訪問しましたが、20年前と比べ大学の施設、仕組みが大きく進化していました。今後もこの進化は止まらず、より良い環境の整備が続くと言われており、やはり現時点では日本ではなく、アメリカの大学進学を強く薦めたいと思います。

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